耐震工事|大阪市の補助金 外壁補修も対象に?
2022.07.04 (Mon) 更新
大阪市には戸建住宅等の耐震診断・耐震改修補助制度があるのをご存じですか?
今回は怖い地震から建物を守る為の耐震診断や耐震改修工事に、この補助金制度を利用できるかもしれないことについてのお話です。
皆さんご存じのとおり、日本は地震大国です。
そして現在もっとも懸念されているのが 南海トラフ巨大地震 です。大阪市でも被害を被るのは必至であると考えられています。
平成25年度に大阪府から南海トラフ巨大地震の被害想定が公表されていていますが、建物の倒壊や屋内での物の転倒や津波による浸水等々、地震による被害は大変恐ろしいものです。
公表されている大阪市の建物被害想定ですが、全壊棟数が78,921棟、半壊棟数が217,137棟、合計全半解凍数296,058棟でかなりの数の建物が倒壊する想定になっています。
大事な家屋が地震で倒壊する事は、できる限り防ぎたい事です。
でも家屋の建て直しはいろいろな面で現実的ではない場合、耐震強度を上げるために耐震改修工事をするのが一般的です。
その耐震改修工事を行う際に、大阪市で補助金が受けられるかもしれないのです。
大阪市の耐震工事の関連補助制度
大阪市の耐震改修工事等における補助金制度が、【民間戸建住宅等の耐震診断・改修等補助制度】 です。
【令和7年における民間住宅の耐震化率を95パーセントとすることを目標に、耐震診断・耐震改修設計・耐震改修工事・耐震除却工事に要する費用の一部を補助するもの】となります。
大阪市の耐震関係の補助制度の内容は以下の通りです。
補助内容 | 補助率 | 限度額 | 申請締切 |
---|---|---|---|
① 耐震診断 | 11分の10 | 1戸あたり5万円 1棟あたり20万円 | 2022年12月28日(水曜日) |
② 耐震改修設計 | 3分の2 | 1戸あたり10万円 1棟あたり18万円 | 2022年12月28日(水曜日) |
③ 耐震改修工事 | 2分の1 | 1戸あたり100万円 | 2022年12月15日(木曜日) |
④ 耐震除却工事 | 3分の1 | 1戸あたり50万円 1棟あたり100万円 | 2022年12月28日(水曜日) |
補助内容を詳しく見ていきましょう。
① 耐震診断
耐震診断とは旧耐震基準で設計・竣工された建物(1981年以前に設計・竣工の建物)が、想定される大きな地震で倒壊しない耐震性能をもつか調査し、現行の耐震基準と照らし合わせて耐震性の評価をする事です。
耐震診断の指標
木造住宅
上部構造評点(建築物の構造強度)で示されます
上部構造評点 | 判定 |
---|---|
評点1.5以上 | 倒壊しない |
評点1.0以上~1.5未満 | 一応倒壊しない |
評点0.7以上~1.0未満 | 倒壊する可能性がある |
評点0.7未満 | 倒壊する可能性が高い |
非木造住宅
Is(構造耐震指標:建築物の地震に対する安全性)値で示されます
Is値 | 判定 |
---|---|
Is値0.6以上 | 大地震時に倒壊し、又は崩壊する危険性が低い |
Is値0.3以上0.6未満 | 大地震時に倒壊し、又は崩壊する危険性がある |
Is値0.3未満 | 大地震時に倒壊し、又は崩壊する危険性が高い |
この耐震診断に対しては、補助率が11分の10の補助金が出る可能性がありますので、補助要件に当てはまるのであれば申請すると安価で診断ができます。
② 耐震改修設計
耐震改修設計は耐震診断によって倒壊する可能性や危険性があるとされた場合に、どのような補強をするのかを具体的に計画・設計することを差します。
こちらは耐震診断の補助とまとめて申請可能ですし3分の2の補助金が出ますので、併せて申請することをおすすめします。
③ 耐震改修工事
耐震診断で倒壊の可能性がある建物について、一応倒壊しない以上(木造)等の診断を受け、耐震改修設計で補強計画をなされた建物に対して、以下のような耐震改修工事が補助対象となります。
木造
- 各階ともに上部構造評点を1.0以上にする耐震改修工事
- 耐震診断で0.7以下だった建物を0.7以上にさせる耐震改修工事
- 1階のみ上部構造評点を1.0にする耐震改修工事
- 1階の寝室などにシェルターを設置する工事
非木造住宅
- 各階のIs値を0.6以上にする耐震改修工事
耐震改修工事の補助は、次のうち一番低い額が補助金額となります。
- 耐震改修工事費(税抜)の1/2
- 100万円×戸数
- (木造住宅)延べ面積×31,000円/㎡の1/2
(非木造住宅)延べ面積×45,640円/㎡の1/2
④ 耐震除却工事
耐震除却工事は耐震診断で倒壊の可能性がある建物を解体除却する工事について、以下の様な解体除却工事が補助対象です。
木造
- 各階の上部構造評点を0.7未満と判断された建物を解体除却する工事
非木造住宅
- 各階のIs値を0.3未満とされた建物を解体除却する工事
耐震除却工事の補助は、次のうち一番低い額が補助金額となります。
- 耐震除却工事費(税抜)の1/3
- 50万円×戸数
- 1棟につき100万円
- (戸建住宅)延べ面積×17,000円/㎡の1/3
(長屋及び共同住宅)延べ面積×15,000円/㎡の1/3
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は大阪市の耐震診断・耐震改修補助制度についてのお話でした。補助についての詳細等は大阪市のサイトも併せてご覧下さい。
大きな地震が発生すると想定した場合にお家の耐震性に不安がある時、耐震工事を考えると良いかと思います。それが補助金の対象であれば負担が軽くなって安心して工事が出来る事になるでしょう。
それともし、外壁や屋根・内装の老朽化などでリフォームをお考えなら、耐震改修工事に伴わせて行うことで、単独でリフォームと耐震工事を行うよりも費用面や労力の面でもずっと負担が軽減できます。
それに、壁の補強工事と同時に行う外壁のひび割れの補修や、屋根の老朽化に伴う工事で軽量タイプの屋根に替える工事等では、耐震工事補助の対象になる場合もあります。
また耐震改修の申請を提出も結構細かくて大変です。弊社には担当の者がおりますので、耐震工事の事もお気軽にご相談いただければと思います。
大きな地震が発生する前に、耐震工事等で安心を手に入れましょう。